四番目のセラミック冠の優れた点として、金属アレルギーがある方にも安心して使用できる点があげられます。
金属アレルギーの一つのタイプは、接触性皮膚炎の一種として、金属に触れる部分にじんましん、湿疹、強いかゆみなどの症状が現れます。ピアスホールが化膿したり、炎症が起こるのもその一例です。また、別のタイプは遠隔部位に湿疹をつくります。
金属アレルギーはどうして起こるのかというと、皮膚や粘膜に触れている金属部分から、金属イオンが溶け出し、体内にはないタンパク質が出来上がることが原因です。そのタンパク質が体内に入ると体の免疫システムがそれを異物、敵とみなし、アレルギーが引き起こされます。
歯科用金属によっても金属アレルギーが起こることがわかっています。接触性皮膚炎と同様に接触した口腔粘膜に炎症が現れます。金属アレルギーとの関連が疑われる難治性口内炎として口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)があります。
また、遠隔の部位に湿疹反応を起こすことがあります。手のひらや足の裏にできる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)はその代表です。「みずぶくれ」や「うみだまり」がくりかえし出来る病気です。囊胞の中に菌はいません。その他の遠隔部位の金属アレルギー症状として、じんましん、水疱、かゆみ、皮膚の紅斑が全身に発現します。
さらに、遅延型アレルギーという機序があり、金属が口の中に入ってもすぐには発症せず、数年後に症状が出現するものがあります。唾液に少しずつ金属イオンが溶け出し、体内に蓄積されたイオンが血液に乗って全身を巡り、あるレベルを超えると症状が発現します。歯科治療との関連性を判断するのに困難なケースです。
こういった金属アレルギーを気にしている方にはセラミックはおすすめです、セラミックは陶材であり金属イオンを全く含まないため、アレルギーの心配がありません。こういう観点からからもセラミックは銀歯に勝っています。